オリジナルの短編アニメーション『Trembled Blossoms』は、2007年夏に始まり、2008年レディス春夏コレクションのデザインと並行して進められてきた一連のプロジェクトを締めくくる作品です。 このプロジェクトは、ファッションショーのみならず、テキスタイルのデザインや、ショー会場の空間のデザイン、会場の壁面、そしてアニメーション・フィルムの制作にたどり着きました。
『Trembled Blossoms』は、プラダが継続的に取り組んでいる実験的なデザインの一環です。ミウッチャ・プラダは、これまでにAMO(ロッテルダムに拠点を置く建築家レム・コールハースのシンクタンク)や、2x4(ニューヨークのデザインスタジオ)、およびその他のデザイナー、アーティスト、プログラマーと、ニューヨーク、ビバリーヒルズ、東京のプラダ・エピセンターのために、ウォールペーパー、空間、短編アニメーション、インタラクティブ・メディアを共同で作り上げてきました。
ミウッチャ・プラダは、空間をデザインするだけでなく、テキスタイルのコンセプトとしても使える幻想的な風景画を思いつきました。 2x4のマイケル・ロック、およびキム・ソンジュンとのコラボレーションでは、さまざまなアイデアがまとめられました。 2x4は、ロサンゼルスの若手イラストレーター、ジェームス・ジーンをプロジェクトに起用し、共同でエピセンター、ショースペース、特別なテキスタイルのプロトタイプデザインを手がけました。
インク画による、瑞々しくかつスキャンダラスな雰囲気をかすかに秘めた花と妖精たちの風景は、アールヌーヴォー、リバティプリント、オーブリー・ビアズリー、ヒエロニムス・ボスから得たインスピレーションを融合。ミウッチャ・プラダのイメージの世界を想起させる作品となっています。
『Trembled Blossoms』は、このプロジェクトを映画という媒体に広げたものです。
ウォールペーパーのデザインを利用した短編アニメーションは、ジェームス・リマが監督を務め、Hi! Productionとマックス・ブランがプロデュース、アニメーションはロサンゼルスのサイト・エフェクトが手がけました。この作品は、現代的なアニメーションやモーションキャプチャ技術を駆使して、1930年~1940年代のハリウッド黄金期の古典的なアニメーション・フィルムがテーマとなっています。
最先端の技術を古典的なアニメーションのコンセプトに取り入れて、踊っている女優の映像の上にアーティストがイラストを描き、白雪姫のシーンを作り上げました。小型のトラッキングリフレクターを装着して妖精を演じるダンサーの動作をキャプチャして記録し、描画の上にデジタル処理でスーパーインポーズしています。原画のクオリティと雰囲気を壊すことのないよう、細心の注意が払われました。
4分間のフィルムは、ニューヨークファッションウィーク期間中の2008年2月5日に、ブロードウェイのエピセンターで行われたプライベートレセプションで初上映されました。
コンセプトアーティスト:James Jean
プロデュース:HI! Production
エグゼクティブプロデューサー:Max Brun
アニメーション:Sight Effects
タイトル:2x4